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本記事では、日本全国に散らばる「鰻」の名産地をランキング形式で紹介します。鰻は、その高い栄養価と独特の風味から人々に愛され、さまざまな料理で楽しまれてきました。
日本各地では、その地域特有の条件を生かした鰻の養殖が行われ、それぞれに独自の特色を持つ鰻が生産されています。また、稀有な天然鰻の産地についても詳しく解説します。
この記事を読むことで次のことがわかります:
- 日本で最も鰻の生産量が多い県とその理由
- 名産地である鹿児島県、愛知県、宮崎県、静岡県、高知県の鰻の特徴
- 稀有で貴重な天然うなぎが生息する主な河川や湖
以上の情報を基に、本記事では鰻の養殖地域と天然うなぎの産地について詳細に解説していきます。鰻好きの皆さんが「ふるさと納税」などで自分好みのうなぎを見つける手助けとなるような情報を提供します。
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日本の食用のうなぎの99%が養殖
日本で食べられるうなぎの99%以上が養殖であるという事実に驚かれる方も多いかと思います。
その理由は主に2つあります。まず一つ目は、日本の主要な食用うなぎである「ニホンウナギ」が絶滅危惧種として認定されており、その自然環境が脅かされているためです。
さらに、自然界でのうなぎの生育環境は非常に厳しいものであり、成魚に育つまでの生存率は極めて低いという現実もあります。このため、大量のうなぎを食べることのできる日本においては、安定的に供給を維持するために養殖が主流となっています。
養殖うなぎの生産方法は、主に稚魚である「シラスウナギ」を捕獲し、専用の鰻池で大切に育て上げるというものです。豊かな餌ときめ細やかな管理のもとで育った養殖うなぎは、天然うなぎに引けを取らない美味しさとなり、今日の我々の食卓に並ぶこととなります。
また、川を上るうなぎのイメージが強いかもしれませんが、実はこれは天然うなぎを捕獲するための漁法であり、これが実施される地域はかなり限られています。多くの場合、食卓に並ぶうなぎは、養殖施設で育てられたものなのです。これからも、私たちがうなぎを美味しく安心して食べ続けられるよう、養殖技術の更なる進化が求められています。
県別養殖うなぎの生産量1位は静岡【浜名湖】ではない?
日本全国で美味しいうなぎの産地と言えば、まずは静岡県の「浜名湖」を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、驚くべきことに、養殖うなぎの生産量で見ると、静岡県は実は全国4位となっています。では、一体どの県が最も多くの養殖うなぎを生産しているのでしょうか。
順位 | 都道府県 | 生産量 (t) | 全国シェア (%) |
---|---|---|---|
1位 | 鹿児島 | 7,086 | 41.5 |
2位 | 愛知 | 4,357 | 25.5 |
3位 | 宮崎 | 3,070 | 18.0 |
4位 | 静岡 | 1,534 | 9.0 |
5位 | 高知 | 296 | 1.7 |
6位 | 徳島 | 220 | 1.3 |
7位 | 三重 | 211 | 1.2 |
8位 | 熊本 | 136 | 0.8 |
9位 | 愛媛 | 38 | 0.2 |
10位 | 大分 | 17 | 0.1% |
食品データ館 2019年
https://urahyoji.com/unagi-yoshoku-inland/
その答えは、「鹿児島県」です。2019年のデータによれば、鹿児島県は7086トンという生産量で、全国のうなぎ生産の約41.5%を占めています。それに続くのが、愛知県の25.5%、宮崎県の18.0%で、静岡県のシェアは9.0%となっています。全国の生産量トップ4の県だけで全体の90%以上を占めているという事実も注目すべき点です。
全国のうなぎの生産量は、近年、約2万トン前後で推移しており、最も多かった2011年では2万2028トンを記録しました。しかし、鰻の稚魚であるシラスウナギの漁獲量に大きく影響を受けるため、不漁の年には生産量が大きく落ち込むこともあります。事実、2013年には最少の1万4200トンまで減少したこともありました。
特に鹿児島県では、2017年にこの10年で最も多い8522トンの生産がありましたが、続く2018年、2019年は記録的な不漁に見舞われ、生産量が減少しました。これらのデータからも、養殖うなぎの生産は、自然環境の影響を直接に受ける非常にデリケートな産業であることがわかります。
うなぎ養殖の名産地
日本全国、各地には個々の特色を持ったうなぎの名産地があります。それぞれの地域で育てられるうなぎは、その地の風土や気候、そして養殖技術によって、独特の風味や食感を持つこととなります。ここでは、日本全国のうなぎ養殖の名産地をランキング形式でご紹介します。それぞれの県がどんな特色を持っているのか、そしてその県のうなぎがどんな特徴を持つのかについても詳しく解説していきます。
鹿児島県から始まり、愛知県、宮崎県、静岡県、高知県といった全国の主要なうなぎ生産地を順に見ていきましょう。また、地域ごとの特徴と共に、その地域で生産されるうなぎの風味や食感、そしてその地域での調理法や味付けについても触れていきます。さらに、各地域で提供される名物うなぎ料理や、お取り寄せできるおすすめのうなぎ商品についてもご紹介します。
1位 鹿児島県
日本で最もうなぎの生産量が多いのは、美しい自然環境と豊富な水資源に恵まれた鹿児島県です。ここで生産されるうなぎは、その豊富な生産量ゆえに日本全国の多くの人々に食べられており、その味わいは「ウナギのスタンダード」とも称されるほどです。
鹿児島県のうなぎは、大規模な事業者による生産が多いため、品質を一定に保ちつつ、比較的リーズナブルな価格で提供されることが可能です。この点は、うなぎを手軽に楽しみたいという方々にとって、大きな魅力となっています。
また、鹿児島県では伝統的に蒸さずに調理された、食感がしっかりとした蒲焼きが好まれています。しかし、消費者の嗜好に応じて新たな商品も開発されており、「大トロうなぎ」といった特別な商品も人気を博しています。
これらの理由から、うなぎの産地としてどこを選ぶか迷った際には、まずは王道の鹿児島県のうなぎを選ぶことをおすすめします。その豊富な生産量と品質の良さ、そして多様な食べ方の選択肢が、あなたのうなぎ体験を一層楽しいものにしてくれるでしょう。
2位 愛知県
全国のウナギ生産量で2位を誇る愛知県。そのうなぎは、西尾市一色町を中心に生産されており、自治体別の生産量では全国トップクラスを記録しています。その品質は業界内でも高く評価され、「一色ウナギ」という名前でブランド化されています。
一色ウナギが特に注目される理由の一つが、その育てられる環境です。一色ウナギは地下水ではなく、自然環境に近い矢作川の水を利用して育てられます。この育て方により、自然に近い環境での養殖が可能となり、その結果、非常に美味しいウナギが生産されているのです。
さらに、愛知県はウナギの食文化が非常に豊かで、特に「ひつまぶし」が有名です。ウナギの調理法にこだわる愛知県ならではの、関西風のパリッとした表面とふっくらとした中身を持つ蒲焼きは、多くのウナギ好きに愛されています。
これらの特長から、愛知県のウナギは「ハイクオリティなウナギ」として、その美味しさと独特の食文化で人々の心をつかんでいます。
3位 宮崎県
ウナギ生産量全国3位の座を誇る宮崎県は、「ウナギ新興国」とも評される地域です。歴史は他の都道府県に比べて浅いですが、その質の高さで急速に評価を上げています。
宮崎県のウナギが他地域と一線を画すのは、その育てられる環境にあります。宮崎県は地質に恵まれており、養殖に使用する池の水が自然にろ過され、結果としてウナギに臭みが少なくなると言われています。この特性が、宮崎県産のウナギにクセが少ないという特徴を生んでいます。
さらに、宮崎県産のウナギは価格面でもリーズナブルなものが多く、ウナギを普段あまり食べないという方にも満足いただけると評判です。
これらの要素が組み合わさることで、宮崎県産のウナギは、一段とその評価を高めているのです。
4位 静岡県
静岡県は、ウナギ養殖の発祥の地とも称される地域で、ウナギの養殖に関する歴史が最も長いところです。この豊富な経験と伝統が生んだウナギの食文化もまた、他の地域と一線を画しています。
特に浜名湖周辺はウナギ養殖の代表的な地域であり、関東風と関西風の境目に位置しています。この地理的な特性が生み出す、豊かで多様なウナギの食べ方は静岡県の魅力の一つです。白焼きを盛んに楽しむ風習や、ウナギの刺身に挑戦するなど、他地域では見られないような特色を持っています。
これらの理由から、静岡県は「ウナギの伝統国」とも評されています。伝統的なウナギの養殖と食文化を体験したい方には、静岡県がおすすめです。
5位 高知県
高知県は、四万十川などの清流が育む個性豊かなうなぎの産地として知られています。規模は小さめながらも、鰻養殖に独自の工夫を凝らす事業者が多く、特にその中でも低温でじっくりと育てられた「低温ウナギ」が人気です。ボイラーを使わずに自然に近い育て方を採用することで、身がしっかりとしており、適度な脂が特徴。このユニークな方法で育てられたウナギの味わいは、他の地域とは一線を画しています。
ウナギの味は地域によってそれぞれ異なり、自分に合った味を見つけるのもまた一つの楽しみです。高知県のウナギは、個性的な育て方によって生まれる独特の味わいを堪能することができます。この情報を参考に、あなたにピッタリのウナギを見つけてみてください。
日本の天然うなぎの産地
うなぎの語りでは、養殖うなぎと並び、その希少性と美味しさから話題になるのが天然うなぎです。日本で流通するうなぎの中ではその存在はわずか0.14%と言われていますが、その稀少価値と風味はウナギ愛好家たちを虜にします。
天然うなぎの漁獲量は年々減少していますが、それでもなお、日本各地には素晴らしい天然うなぎの産地が存在します。このセクションでは、それらの産地とそれぞれの地域が生み出す天然うなぎの特徴を紹介します。私たちの旅は、かけがえのない天然うなぎとその産地への深い敬意と、その美味しさへの愛情から始まります。
茨城県・千葉県:利根川(とねがわ)
利根川は日本三大河川の一つで、流域面積が日本一という川の利根川から捕れる天然うなぎ、別名「坂東太郎」はその希少性から特に価値が高いとされています。この名前は、かつては川の名前で呼ばれていた天然うなぎの風習を受け継いでいますが、養殖鰻の中にも「板東太郎」というブランドがあるため、注意が必要です。
「坂東太郎」は、主に5月から11月初旬までの期間に入荷します。その貴重な天然うなぎは大半が東京の高級うなぎ料理店へと出荷され、一般にはあまり出回りません。そのため、利根川産の天然うなぎを味わうことができるのは、まさに幸運とも言えるでしょう。
高知県:四万十川・仁淀川
高知県の四万十川と仁淀川は、天然うなぎの産地として知られています。特に「日本最後の清流」と賞賛される四万十川と、その次に素晴らしい水質を誇る仁淀川からのうなぎは非常に価値があります。
四万十川と仁淀川で捕れる天然うなぎは、春から秋にかけて入荷します。「縄」と呼ばれる置き針で捕れた天然うなぎが主流で、その他にも箱モジ、ボサ、石倉といった方法で捕れます。
四万十川では細い天然うなぎが主流で、一方、仁淀川ではさまざまなサイズのうなぎが捕れます。また、高知の河川の特徴として、水温の関係で他の地域より猟期が長いことも挙げられます。
高知県の天然うなぎが一般的に有名になったのは比較的新しい現象で、これは瀬戸大橋の開通や宅急便の発達など、物流の進化によるものです。そのため、高知の天然うなぎを楽しむことは、現代の恩恵ともいえるでしょう。
吉野川
日本三大河川のひとつで、「四国三郎」とも称される吉野川は、その洗練された特性から独特の天然うなぎの産地となっています。
吉野川から捕れる天然うなぎの入荷時期は、5月から10月頃までです。特に9月頃からは「下りうなぎ」がかなりまとまって入荷するため、この時期は特に吉野川産のうなぎを楽しむ絶好のチャンスです。
また、吉野川産のうなぎは、脂肪分が瀬戸内の天然うなぎよりやや少なめという特徴を持っています。そのため、ほどよい脂のりと独特の食感が好きな方には、吉野川産のうなぎが特におすすめです。
木曽三川《木曽川、長良川、揖斐川》
濃尾平野を豊かに潤す木曽三川は、その流れが育む天然うなぎの産地としても知られています。この地域は、鵜飼やサツキマスなどの伝統的な水産物でも有名です。
ここでの天然うなぎは、「うげ」と呼ばれる竹を編んだ「もじり」で捕られます。ただし、同じ場所で何回も漁ができないため、梅雨時から9月頃まで、三河川を移りながら漁が行われます。
しかし、現在はこの地域のうなぎの取り扱いが難しくなっているようです。だからこそ、もし手に入れる機会があれば、その希少性と独特の味わいをぜひ楽しんでみてください。
狩野川 (かのがわ)
伊豆を流れる一級河川、狩野川は、天然うなぎの産地として知られています。ただし、ここでは上流部分のうなぎだけが取り扱われます。
狩野川でのうなぎ漁は、「穴釣り」という手法が用いられます。この漁法により、様々なサイズのうなぎを捕ることができます。ただし、穴釣りは他の漁法に比べて捕れる量が極めて少ないのが特徴です。うなぎが獲れるのは水温が高くなる6月から8月頃までです。
現在は、狩野川産のうなぎは手に入りにくくなっています。そのため、もし見つけたらその貴重さを理解し、味わい深い一皿を堪能してみてください
浜名湖(はまなこ)・都田川
静岡県に位置する浜名湖とその上流に流れる都田川は、地元でよく知られる鰻の産地です。しかしながら、ここで捕れる天然ウナギの存在はあまり知られていません。浜名湖ではかつて、養殖ウナギが盛んで、池から逃げ出した養殖ウナギと天然ウナギを区別するために、秋に捕れる太い「下りウナギ」が利用されていました。
浜名湖では「かくだて」と呼ばれる定置網漁でウナギを捕る一方、都田川では他の河川と同じく、定められた漁法でウナギが捕れます。秋には特に太いウナギが中心ですが、初夏まではさまざまなサイズのウナギが捕れます。
現在は、浜名湖や都田川産の天然ウナギを扱うお店は減少しています。そのため、もし見つけたら、その希少性を理解し、ひとつひとつの風味を大切に味わってみてください。
国産うなぎ(養殖)と天然うなぎの違い
美味しいうなぎを選ぶ際、「天然のうなぎなら間違いないのでは?」と思われがちですが、近年の養殖技術の進化により、養殖うなぎも天然のものと引けを取らない品質を持っています。では具体的に、国産の養殖うなぎと天然うなぎの違いは何なのでしょうか。このセクションでは、肉質、味、価格など、養殖うなぎと天然うなぎの違いを詳しく見ていきます。
養殖うなぎの特徴
養殖うなぎの特徴を理解するためには、まずその成育過程を把握することが重要です。国産の養殖うなぎとは、天然の稚魚であるシラスウナギを採取し、それを国内で飼育して大きく育てたものを指します。こうした養殖は、静岡県の浜名湖で始まったとされています。
しかし、現在では天然のシラスウナギの数が減少し、その取り扱いが問題となっています。それでも、管理された水温・水質環境下で、栄養豊富な餌を与えられることで、養殖うなぎは健康に育ちます。
養殖うなぎの特徴として最も注目されるのはその安定した品質と、脂の乗りの良さです。管理された環境で育つことで、うなぎ本来の美味しさが引き立つだけでなく、飼育環境や地域の気候、水質によって微妙に異なる味わいが楽しめます。これが、養殖うなぎが多くの食通たちから支持される理由の一つとなっています。
天然うなぎの特徴
天然うなぎとは、その名の通り、人間による管理下ではなく自然環境で育つうなぎのことを指します。特に、利根川(関東)や四万十川(四国)など、清澈な水流が特徴的な川辺で獲れる天然うなぎは質の良さで知られています。
人間の手が介入せず、自然界で育つ天然うなぎは、その生息地の環境や食事内容によって味や大きさが大きく影響されます。そのため、一定の品質を保つことが難しく、市場に出回る食用の天然うなぎは一握りとなってしまいます。しかし、そのレアさと、適度に脂が乗り、身が引き締まった特徴から、多くの美食家たちから絶大な人気を誇ります。
世界には19種類ものうなぎが存在しますが、日本で獲れる天然うなぎの大半はニホンウナギです。その独特な風味は、日本人にとって馴染み深いものでしょう。その他にも、オオウナギやヨーロッパウナギ、アメリカウナギといった種類のうなぎも日本に生息しており、それぞれが独自の味わいを持っています。
まとめ:鰻で有名な県ランキング11選
この記事を通じて、鰻の多様性について深く掘り下げてきました。まず、鰻は主に養殖と天然の2種類に分けられ、その特性と生息環境が味やテクスチャに大きく影響を与えます。
養殖鰻は、特に管理された水温・水質のもとで育てられ、その品質は一定です。また、養殖地域の気候や水質によって味に独特の特徴が現れます。一方、天然鰻はその生息地と食物により、味や大きさが決まります。天然鰻の質は安定していませんが、その分独特の美味しさがあります。
うなぎの調理法においても、地域ごとに違いがあります。関東風は背開きで、蒸すことでやわらかな仕上がりになります。一方、関西風は腹開きで、焼きのみの調理法が特徴で、香ばしい風味と食感を楽しむことができます。
また、うなぎの旬は、天然うなぎでは秋から冬にかけて、養殖うなぎでは土用の丑の日前後となります。
これらの知識を活かして、自分好みの鰻を選び、日本全国の鰻をより楽しむことができます。うなぎはその生産地、養殖と天然の違い、調理法により、その味わいが大きく変わります。これらの特徴を理解し、あなたの最高のうなぎ体験を実現してください。