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インスタントコーヒーの効果「アブラムシ・ハダニ駆除できる!?」調べてわかった残念な真実
殺虫剤を使わずにアブラムシやハダニを駆除したい。
コーヒーのスプレー、石けん水を混ぜる方法がネットにはありますが、具体的な有効成分が書かれていません。
そこで調べたところ、コーヒーにはアブラムシ・ハダニを駆除する効果がないことが分かりました。
実際にコーヒーを使った研究で、効果がないという報告があります。
この記事の内容は以下になります。
- 家庭菜園の害虫アブラムシ・ハダニの駆除にコーヒー効果はホント?
- コーヒー成分と駆除効果を調べたら『真実は残念な結果』
- アブラムシ・ハダニの効果的な駆除方法
コーヒーには駆除する効果はありませんが、代わりの駆除方法についても紹介していきます。
家庭菜園の害虫アブラムシ・ハダニとは
家庭菜園に発生するアブラムシとハダニの特徴と影響を解説します。
<家庭菜園の害虫アブラムシ>
アブラムシは緑色や黒色の虫で、クローンを産み続けます。
1ヶ月で10,000匹にもなり、エサがなくなればクローンに羽が生えます。
卵を産んで冬を越えるものもいます。
アブラムシの影響
・ 生まれてすぐ栄養を吸いとる
・ 止まらないおしっこで葉にカビ(すす病)
・ 針でほかの植物にウイルスをうつす
アブラムシのおしっこはベトベトし、アリが寄ってくる特徴があります。
<家庭菜園の害虫ハダニ>
参照:https://www.syngenta.co.jp/cp/articles/20021209
ハダニは目で見えるか見えないかくらいの小さな赤いクモの仲間で、オスとメスを交互に産み繁殖します。
冬は体を強化して耐え、エサがなくなれば糸で飛び移ることもできます。
どんな悪さをする
ハダニの影響
・ 栄養を吸いとる
・ 葉っぱが黄色くかすれる
・ 果実の見た目が悪くなる
家庭菜園の野菜を守りたいけれど殺虫剤は使いたくないですよね。
コーヒーでの駆除はエコにもなりますが、どの成分が効くのでしょうか。
コーヒーの防虫効果を調べてみました。
アブラムシ・ハダニ駆除 コーヒーの効果の真実
ネットにはコーヒーでアブラムシやハダニが嫌がって避けていくとあります。
しかし実際の研究で忌避性はないという結果でした。
以下の害虫には効果があります。
・ アリ
・ 蚊
・ ナメクジ
・ カタツムリ
コーヒーをかけると植物が育ちづらくなってしまう一方で、土の中にいる微生物が分解して肥料が出来るという研究結果もありました。
「まずコーヒー抽出残渣を大量に施用し、雑草を制御しつつ、ゆっくりと土壌微生物群によるコーヒー抽出残渣の分解を進め、土壌中の窒素を増やし、地力を向上させます。その後よく耕起させ、作物を栽培することができます。」
[山根浩二、河野充晃、渡邊芳倫、飯嶋盛雄(近畿大学農学部)、福永泰司、岩井和也、関根理恵(UCC上島珈琲株式会社), 2013.5.9]
コーヒーには駆除ではなく肥料をつくる効果がありました。
肥料が完成したあとに植物を植えてくださいね。
コーヒー自体にアブラムシ・ハダニの駆除効果はない!
研究によるとコーヒーではアブラムシ・ハダニが嫌がって避けるような状態にはならないとされています。
「アブラムシの虫数が減少していく傾向は殆ど確認されていないことから、忌避性は低いと考えられる。以上の結果から、実用的な効果はないと考えられる。」
「本資材の忌避性については、マークした調査薬からハダニが逃避するような現象は観察されず、ハダニの寄生密度もほぼ同程度に推移していることから、忌避性は低いと考えられる。」
引用)[社団法人日本植物防疫協会, 2005] https://www.env.go.jp/council/10dojo/y104-01/mat03_4-2.pdf
害虫の防除にコーヒーが使われている事実が多いことから、研究では実際に効果があるのかを検証しています。
使ったのは1,000倍に希釈したインスタントコーヒー。
アブラムシやハダニがいる状態からコーヒーのスプレーを始めています。
研究する際に都道府県から集めた情報をもとに、きゅうりに対して7日間あけてコーヒーを2-3回スプレーしたデータをとっています。
ハダニは葉の裏に寄生しやすい特徴をもっていますが、もちろん葉の表裏どちらにもまんべんなくスプレーしていました。
しかし2回のときも3回のときもアブラムシ・ハダニはともに逃げることもなく、減ることもありませんでした。
コーヒーには殺虫性がないどころか、嫌がって避ける効果も低いという結果になっています。
ネットにあったコーヒー活用の駆除方法は
ネットにあるコーヒーの駆除方法を2つ解説します。
ハダニはすぐに溺れて死ぬので、水だけでも駆除が可能です。
<コーヒースプレー>
インスタントコーヒーやコーヒーかすを溶かした水を植物にスプレーする方法です。
アブラムシは油により窒息します。
ネットで「コーヒーは濃い方が良い」と言われるのは、コーヒーの油が多くなるからではないでしょうか。
しかし確実性はなく、研究でも効果はないと否定されています。
<石鹸水+コーヒー>
コーヒーを溶かした水に石けんを加えたもので、ベトベトしているためアブラムシは窒息します。
石けんには油を水に溶け込ませる性質もあるのでコーヒーの油を溶け込ませ、効果があがる可能性もあるでしょう。
ただし石けんは植物自体も呼吸がしづらくなりますので、乾いたら必ず水をかけてください。
コーヒーだけでの効果は確実ではありませんが、石けんによるアブラムシ駆除の効果はあります。
植物への影響も少なからずあるので気をつけましょう。
アブラムシ・ハダニ家庭菜園の害虫駆除方法
家庭菜園にはできるだけ殺虫剤は使いたくないですよね。
殺虫剤を使わない方法はほかにもあります。
アブラムシの駆除方法は以下です。
- 黄色の粘着テープ・トラップ:アブラムシが好きな色
- 油・でんぷんのり:窒息
- 銀色のテープ・地面を覆うシート(マルチ):光の反射を嫌う
- とうがらし焼酎:1ヶ月漬けたものを希釈。カプサイシンが効く
- 天敵(テントウムシ・カマキリ):過ごしやすい環境を作る
ハダニの駆除は水・油を葉の裏にまんべんなくかけてください。
ニームオイルも市販されており、油で窒息させ病気の原因となる菌からも防いでくれます。
殺虫剤はハダニには効かず、逆に天敵がいなくなってしまうので絶対にやめましょう。
さらに生き残ってしまうと抵抗力をつけて強くなってしまいますので、もし使いたいならダニ剤を使用するようにしてください。
繁殖力の強いアブラムシやハダニには住みづらい環境を作りましょう。
まとめ
研究からアブラムシ・ハダニ駆除にコーヒーは効かない真実が分かりました。
しかしコーヒーには土を肥料にする効果があります。
今すぐにでも対策したい方は以下が手軽な方法です。
- 黄色のバケツに油と石けんを混ぜた水を作って置く
- 水もしくは石けん水をまんべんなく葉の裏にもかける
コーヒーは「活性炭」と同じ作りである多孔質構造をもつことから靴箱などの防臭にも使えます。
エコに使いたい人はこちらも試してみてください。
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