フカ（鱶）とサメ(鮫)の違いは！フカヒレや湯引きなど美味しい食べ方

2023年6月2日2023年7月8日

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フカ（鱶）とはサメ(鮫)魚のこと？違いやフカの湯引きなど美味しい食べ方は

フカ（鱶）、あるいはサメ（鮫）と呼ばれる魚は、日本の海域全体に広く生息しています。北海道の冷たい海から、南の沖縄の暖かな海まで、その種類によらずあらゆる海で遭遇することができます。一部のサメはその巨大な口と歯を使い、魚を捕食する一方で、他の種類はおっとりとプランクトンを吸い込むだけの平和な存在でもあります。

そして、このフカやサメは、日本の食文化とも深く結びついていることはご存知のことでしょう。特に因幡（いなば）の白兎の話では、サメがワニとして描かれています。また、東北地方の気仙沼周辺では、サメの鰭を加工したフカヒレが高級食材として扱われています。

しかし、同じ魚であるにも関わらず、「フカ」「ワニ」「サメ」と、なぜ異なる呼び名が存在するのでしょうか？また、フカやサメをどのように料理すれば美味しくいただくことができるのでしょうか？

本記事では、そんな疑問を解決するため、フカとサメの違いと、その美味しい食べ方について探っていきます。

フカ（鱶）とは？名前の由来は

「鱶（フカ）」は、特に大型のサメを指す漢字で、古くから使われてきた表現です。しかし、現代ではあまり見かけることはなく、大半の方は鱶ではなくサメと言えば「鮫」の漢字を思い浮かべるのではないでしょうか。

昔は、サメを指す表現が地域によって異なっていました。関東より北では「鮫(サメ)」、関西より南では「鱶（フカ）」と呼ばれていたとされます。しかし、現在ではどの種をどのように呼ぶかは明確な定義がなく、曖昧さだけが残っています。

「フカ」という読み方はおそらくご存知で、「フカヒレ」などという言葉で耳にしたことがある方も多いでしょう。これは大型のサメ（フカ）のヒレを乾燥させたもので、中華料理として人気があります。

卵胎生から「鱶（フカ）」という名前になった説

では、この「鱶」または「フカ」の名前の由来はどこにあるのでしょうか。

「鱶」という漢字は、魚部首と「養」から成り立っています。これは、サメが卵胎生であること、つまり親サメが胎内で卵を孵化させて子サメを産むことから、「子どもを養う魚」という意味を持つようです。「養」という字が当てられたのはそのためと考えられています。

さらに、「フカ」という読み方は、「海の深い場所に棲んでいる」という意味から来ています。大型のサメが深海に生息することがこの呼び名の由来となったのです。

因幡の白兎の物語で出てくるワニとは

日本の古い伝説に出てくる動物の一つに、「ワニ」がいます。これは特に因幡の白兎の物語で主要な役割を果たしています。しかし、これは我々が一般的に想像する爬虫類のワニではなく、実は「サメ」を指しています。

因幡の白兎の物語は、白い兎が海を渡るためにワニをだまして、自分の道として使うというものです。しかし、ワニがこれに気づき、兎を海に投げ込んでしまいます。この物語における「ワニ」は、日本の古語で「鱶」、つまり「サメ」を指していたと考えられています。

なぜなら、この物語が生まれた当時、日本には爬虫類のワニはおらず、海に棲むサメが「ワニ」と呼ばれていたからです。

このように、古代の人々が周囲の自然現象や生物を理解し、それを言葉や物語に落とし込む過程で、「ワニ」は「サメ」を指すようになったのです。そして、その名残りが今も物語や地名などに残っているのです。

フカ（鱶）とサメの違い：呼び名の違いで学術上は同じもの

フカとサメ、日本で一般的に聞かれるこれらの名称は、学術的には同じ生物を指しますが、その用語の使い方には地域性や大きさなどいくつかの要因が関わっています。

「サメ」は軟骨魚類の一部である板鰓亜綱（ばんさいあこう）のうち、サメ目に属する種の総称を指します。語源は、「狭い」「小さい」を意味する「サ」と、「目」を意味する「メ」から、「狭い目」を表しているとされています。

また、「サメ」はカタカナ表記が学術的に使われる一方で、美的表現や文化的習慣に基づき、「鮫」という漢字表記も頻繁に使用されます。

一方、「フカ」または「鱶」という呼び名は、サメの一部、特に大型のサメを指すことが多い俗称です。特に関西地方以南でよく使われ、この名称は古くから日本で用いられてきました。

したがって、「フカ」と「サメ」の違いは主に呼び名によるもので、学術的にはどちらも同じ種を指していると理解すると良いでしょう。

フカ（鱶）とサメの種類と分類

サメは生物学的に脊椎動物門の軟骨魚綱、板鰓亜綱（ばんさいあこう）に分類されます。板鰓亜綱はさらにサメ目とエイ目の2つに分けられ、サメ目亜区は9目34科105属509種に区別されます。これには諸説ありますが、その中でも最大種は約20mのジンベエザメで、最小は約20cmのツノザメとなります。

サメとエイの違いは、水の排出口である鰓孔（えらあな）が側面にあるのがサメ、下側の腹面にあるのがエイとされます。しかし例外もあり、エイのような見た目で扁平な形をしているカスザメや、エイでありながら名前にサメを持つサカタザメも存在します。

日本ではサメに「和名」がつけられています。これはある程度学問的に整理された、日本でのみ使われる名前で、一部は他の生き物の名前と深く関係があります。

例えば、フカの和名を持つサメにはヤジブカ（メジロザメ）、サバブカ（イタチザメ）、ネムリブカ、ドタブカ、ラブカ、エイラクブカなどがいます。

ワニの和名を持つサメにはオオワニザメ、ミズワニ、シロワニがいます。また、クジラの和名を持つサメにはホソフジクジラ、ヒレタカフジクジラがいます。

しかし、「サメ」の和名を持つ生物で実際にはサメではないものも存在します。その例としてはコバンザメ、チョウザメ、ギンザメなどがいます。

このように、フカやサメの名称はその種類や特徴、あるいは地域や文化によって多岐にわたります。これらの名称を理解することで、その生物の多様性や独特の特徴をより深く理解することができます。

フカと呼ばれる魚とは？

フカは大型のサメを指す俗称として古くから使われてきた名称で、特に関西地方以南で使われます。ただし、「フカ」と呼ばれるサメが具体的にどの種を指すかは明確に定義されていません。

「フカ」という語源は「深いところに住む」ことからきており、ことわざ「ふかほど寝る（いびきをかいて寝入るさま）」でも使われています。一方、サメの別名としては「フカ」の他にも「ワニ」があります。これは古くは関東以北で「サメ」、関西以南で「フカ」、山陰地方では「ワニ」が使われていたためです。

現在では、「フカ」の名称は「フカヒレ」や料理名の「フカの湯引き」、和名としての「○○フカ、○○ブカ」に使われる程度で、一般的にはあまり使われません。

地方での違い：サメをフカと呼ぶ地方は?

サメの呼び名は地方によって異なります。関東以北の地方では「サメ」、関西では「フカ」、山陰地方、特に出雲地方では「ワニ」と呼びます。古い昔話「因幡の白兎」に出てくる「ワニ」は、爬虫類のワニではなく、サメのことを表現しています。

一方、東北地方ではサメを「サガンボ」と称し、煮魚として賞味します。サメは死ぬと尿素の分解で生成されるアンモニアにより腐敗が抑制されるため、冷蔵装置が普及していない時代には山間地の住民にとって重宝な魚であり、正月料理には欠かせなかったと言われています。

サメの地方による呼び名の違いは、その地域の文化や習慣、歴史などから来ていることがわかります。これを理解することで、日本のサメに対する視点の多様性や地方色を感じることができます。

大きさで呼び名の違い

サメやフカに関しては大きさによる呼び名の違いは特に定まっていませんが、「フカ」は大型のサメを指す俗称として古くから使われてきました。特に関西地方以南で使われることが多いです。

しかし、サメの種類によって大きさは異なり、その大きさが生態や行動、人間との関わり方に影響を及ぼすことは事実です。例えば、大きなサメ種ではジンベエザメがあり、その大きさは約20mにもなります。一方、小さなサメ種としてはツノザメがあり、その大きさは約20cmです。

サメの大きさによって呼び名が変わるという訳ではありませんが、大きさによってそのサメの生態や存在感が変わることは間違いありません。大きさを理解することで、そのサメが生活する海洋環境や食物連鎖における位置、人間との関係など、より深く理解することができます。

生息地の違い：棲む海の深さでの呼び名の違い

サメはその大きさや生息環境により、様々な種類が存在します。全長20mにもなるジンベエザメから、体長わずか20cmほどのツラナガコビトザメまで、世界の海には約380種、日本近海には120種近くが生息しています。

その生息地は熱帯のサンゴ礁から温帯の沿岸水域、外洋、冷たい深海までと幅広く、またオオメジロザメや川に生息するサメのように淡水に進出するサメもいます。海底にいるサメとしてはネコザメやカスザメなどが知られています。

このような中でも、「フカ」という名前は特に深海（フカい場所）に生息するサメを指すという説もあります。深海に生息するサメというと、例えばミツクリザメやチョウチンアンコウなどが有名で、その神秘的な姿から多くの人々に注目されています。

一方、地域による呼び名の違いも見受けられます。フカという呼び名は、特に西日本でよく使われています。四国や九州地方など西へ行くほどフカという呼び名がよく使われています。

例えば、凶暴なサメで知られるシュモクザメは、関東では和名通りシュモクザメですが、関西ではシュモクブカと呼ばれます。同じようにネズミザメはネズミブカ、ホシザメはホシブカと呼ばれています。

サメの呼び名が地域や生息地によって異なることから、その地域の歴史や文化、生物多様性について深く学ぶことができます。

フカ（鱶）の美味しい食べ方

フカ（またはサメ）は料理として利用されると、そのユニークな味や食感から多くの人々に愛されています。一方で、フカ料理については、その味、食感、そして匂いが気になるポイントとなることでしょう。ここでは、フカの特性と美味しい食べ方について詳しく見ていきましょう。

味

フカの肉は、特有のクセが少なく、あっさりとした淡白な味わいが特徴です。白身魚や鶏のささみなどに似た味わいで、比較的調理しやすい食材と言えるでしょう。また、低カロリーで高タンパク質、さらに鉄分やDHA、ビタミンBなどの栄養素も豊富に含まれています。

食感

フカの食感も、白身魚や鶏のささみに似ています。ふわふわとした柔らかさで、噛み切れないという心配はありません。フカは全身が軟骨であるため、コリコリとした食感も楽しむことができます。例えば、おつまみとして人気のある梅水晶のように調理されることもあります。

におい

フカの肉は、調理済みのものには独特のにおいや変わったにおいはほとんど感じられません。しかし、生肉なので鮮度が落ちると生臭さが出てしまうことがあります。また、フカは体液の浸透圧調節に尿素を用いているため、鮮度が落ちると強烈なアンモニア臭を放つことがあります。他の魚同様、フカも鮮度が命といえます。

料理の一例としては、フカのフライ、煮物、刺身、梅水晶などがあります。さらに、フカの骨を使って出汁を取ると、その深みある味わいから美味しいスープに仕上がります。

料理法によりますが、フカはそのユニークな風味と食感、そして栄養価の高さから、さまざまなレシピで楽しむことができます。

一方で、フカの持つ特有のアンモニア臭には注意が必要です。鮮度が高いものを選び、適切な調理法で味わうことで、フカの美味しさを最大限に引き立てることができます。フカ料理の世界を楽しんでみてはいかがでしょうか？

日本近海にいる食べられるフカや鮫は

日本近海で捕獲されるフカやサメは、地域や食文化によってさまざまな調理法で楽しまれています。ヨシキリザメやネズミザメ、アオザメが主な漁獲対象となっており、これらのサメはフカヒレやサメ肉として使用されます。

ネズミザメは東北地方でモウカザメとも呼ばれ、その中心となる漁業基地は宮城県三陸沖の気仙沼です。ここではサメの心臓まで利用され、地元の人々にとって重要な食材となっています。

また、地域によってサメの調理法や呼び名は大きく異なります。例えば、広島県の備北地域ではサメを「ワニ」と呼び、お刺身として食べるのが一般的です。また三重県の伊勢市と鳥羽市では、サメの肉を干した「サメのタレ」が名物です。

沖縄県では「サメフライ」が名物になっており、宮古島からつながる池間島で生まれた逸品です。また新潟県の上越地方では、サメを年末年始の「年取り魚」として煮付けや煮こごりにしていただくという風習があります。

これらの情報からも、フカやサメは日本の食文化において重要な位置を占めており、その味わいや食材としての可能性は無限大といえるでしょう。

フカ（鱶）料理の歴史

フカ（鱶）料理の歴史は非常に古く、その起源は縄文時代までさかのぼります。青森県にある大規模な集落遺跡、三内丸山遺跡からは魚介類とともにアブラツノザメの骨が発掘されており、これは早くも縄文時代からサメが食事の一部として利用されていたことを示しています。

現在に至るまでの詳細な調理法や食事習慣は詳しくは知られていませんが、これらの発掘結果から、サメは古代の日本人にとって重要な食材であったことが伺えます。

現代でも、フカやサメはさまざまな地域の料理で活用されています。その淡白な味わいや栄養価の高さ、さらには個性的な食感から、多様な調理法で楽しまれており、その歴史は現在も続いているのです。

釣れたフカやサメは食べられる？

海釣りを楽しむ中で、時折フカやサメを釣る機会があるかもしれません。では、そのフカやサメは食材として使えるのでしょうか？答えは「はい」ですが、その際に注意すべき点と適した種類、そして持続可能な資源利用についても触れていきます。

まず、食材として適したフカやサメの種類についてです。多くの種類のフカやサメは食用に適しており、特に淡白な白身が美味しいとされています。また、特定の季節に釣れるサメはその旬を迎えており、特に美味しくいただけます。具体的には、日本周辺では冬から春にかけてが多くの種類のサメが旬を迎える季節となっています。

ただし、自分で釣ったフカやサメを食材として使用する際には、早めの血抜きが重要です。サメには尿素が多く含まれているため、時間が経つと尿素がアンモニアに変わり、特有の臭いを放つようになります。ですので、釣り上げたらすぐに血抜きをして、臭みを抑えることが大切です。

さて、食材として利用する際に注意すべきは、食材として適さない種類や保護対象の種類も存在するということです。例えば、大型のサメの中には生態系のバランスを保つために保護が必要な種類が存在します。また、有毒な種類も存在しますので、自身での調理は避けた方が良いでしょう。

フカやサメを食材とすることは可能ですが、資源の持続的な利用を意識することが重要です。釣りを楽しむ一方で、生態系への影響を考え、持続可能な釣り行動を心がけましょう。

食べる時の注意点

– フカやサメを食べる際の注意点について説明します。特に、食材として利用する際の食材選び、調理法、食材としての衛生管理、食中毒を避けるための方法などを具体的に触れてください。
食べる時の注意点

サメやフカを食材として用いる際には、特定の注意点があります。ここでは、食材選び、調理法、食材としての衛生管理、食中毒を避けるための方法について詳しく解説します。
1. 食材選び

まず、食材選びについてです。サメやフカを釣った場合、その種類や大きさ、捕獲状況によって食べられるかどうかが変わってきます。種類によっては有毒なものも存在するため、確認してから食材として利用しましょう。また、保護対象種や食材として不適切な種類を釣った場合には、適切にリリースすることが大切です。
2. 調理法

次に、調理法についてです。新鮮なフカやサメはお刺身や焼き物、煮物など多様な料理に利用できます。ただし、サメには尿素が多く含まれているため、血抜きをして尿素を取り除くことが必要です。尿素がアンモニアに変わると、独特の臭みが出るため、血抜きは釣り上げた直後に行いましょう。
3. 衛生管理

食材としての衛生管理についてですが、釣り上げた直後には冷蔵庫やクーラーボックスで冷やすことが必要です。特に夏場などは気温が高いため、温度管理には十分注意しましょう。
4. 食中毒を避けるための方法

最後に、食中毒を避けるための方法についてです。サメやフカの調理時には十分に火を通すことが大切です。また、生食する場合には、新鮮なものを選び、衛生的な環境で調理しましょう。

まとめ

– この記事で学んだ内容をまとめ、フカ（鱶）についての理解を深めるメッセージを伝えます。フカの調理を試すこと、またはフカ料理を楽しむことを奨励し、持続可能な消費を促すメッセージも含めてください。
本記事では、フカとサメが実は同一の生物であり、それを知ることでサメの新たな美味しさを発見することが可能であることを解説しました。サメは多岐にわたる調理法で楽しむことができ、生のたたき、湯引き、煮凝り、フカカツバーガーなど、その食べ方は幅広いです。

ただし、食材としてサメを扱う際には、適切な種類の選択や衛生的な取り扱い、持続可能な資源利用を心がけることが重要です。フカやサメの料理に挑戦し、新たな味わいを体験してみてください。

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